どこもやっていないことを!

コロッケを買うなら「まるさ」

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 高月町 2009年8月26日更新

まるさの二代目中嶋亮和さんとご家族

 お肉屋さんのコロッケはおいしい……と言う話はよく耳にする。いつか機会があればお肉屋さんで「なぜおいしいのか」質問をしてみたいと思っていた。
 以前から、高月町で「コロッケを買うなら『まるさ』」と町の人から聞くことがあった。まるさは高月駅近くにあり、町で唯一の精肉店である。開業60年のまるさは、現在二代目にあたる中嶋亮和さんが、御家族と営んでいる。私はようやく質問の機会に恵まれた。
 「肉屋の惣菜がおいしいのは肉屋の肉を使っているからですよ。肉の良し悪しがおいしさを左右すると思いますね」と亮和さんが教えてくださった。
 まるさの牛肉はすべて近江牛。近江牛を一頭単位で仕入れ、部位別に切り分けている。一頭買いするのは、品質の良い牛ならどこの部位でもおいしいという亮和さんの持論に基づいている。コロッケに使うのも、勿論、近江牛。近江牛と国産豚肉の合びきミンチを使ったコロッケは旨みが違うというわけだ。贅沢なコロッケなのである。
 まるさのコロッケはお店の開業とほぼ同じくらいの歴史がある。ほんのりカレー風味なのは、じゃがいもの独特の匂いを消すためなのだが、「カレーの風味というのがハイカラな時代があった」名残でもあるのだという。

「どこもやっていない」工夫がいっぱいのコロッケ

 60年前と変わりなく昔ながらの味わいが受け継がれているのだが、まるさのコロッケは目に見えないところで、おいしさを求めた、さまざまな工夫がなされてきた。
 妻の範子さんは、ふわっと軽い食感をめざし卵の分量を変えてみたり、中荒めの衣にするためパン粉は生と乾燥のものを混ぜている。亮和さんは、ミンチの大きさを決める、機械の穴のサイズにこだわる。ミンチが大きければコロッケの肉の存在感も大きいからだ。

「どこもやっていないことをしないとあかんのですよ」。亮和さんの言葉である。
 現在は、揚げ油を工夫できないかと検討中だそうだ。今使っているラードではなく、コクと旨みが豊かな鶏の油を使って揚げてみたい……という。
 お盆に帰省して、まるさのコロッケを食べた人もきっといるだろう。「やっぱりコロッケといえばまるさやなあ」なんて声が聞こえてきそうである。

 なぜ、お肉屋さんのコロッケはおいしいのか……。
「肉の良し悪しがおいしさを左右する」。これはひとつの理由だ。私は、機会がある度に質問を繰り返すことになった。

まるさ

滋賀県高月町森本15 / TEL: 0749-85-4304
営業時間 9:30〜18:30 / 日曜休
コロッケなどのお惣菜の販売は11:00〜17:00(電話での予約注文も可)

コロッケ100円、ミンチカツ120円のほか、鶏の唐揚げなど

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

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