ママによるママへの応援

　近しい人に子どもができてようやく、「子育てとはどんなものだろう」と思いをめぐらせるようになった。「ママになると今までとは世界が変わるよ」そんな話も耳にする。どういうことだろうと思いをめぐらせていた矢先、長浜曳山祭の山組「御堂前組諫皷山」の町家（ちょういえ）で、「子育て応援カフェLOCO」がオープンした。0歳から未就学の子どもを連れた「ママ」や、妊娠中の「プレママ」にとって居心地のよい場所を作りたいと、昨年から準備してきたという。代表の宮本麻里さんはじめ運営スタッフの多くが、小さな子どもを持つママだ。

　「日々バタバタして過ぎていくだけ毎日。忘れてしまいがちな、“ママ”であることの幸せを、もっともっと感じて、子育てを楽しんでできる、そんな環境があればいいなと思って」と宮本さんは話してくれた。
　 宮本さん自身も感じていた「気兼ねなく子連れで集えるような、ママの目線で考えられたお店ってないなあ」という思いが、子育てサークルや、広場で集まるママ友とのおしゃべりの中でも感じる。それなら私たちで、ママのほしいお店をつくったらどうか、と考えたのが始まりだという。
　LOCOではとことんママ目線で考えた手作りのランチ、アレルギーの心配のない各月齢の離乳食などを揃え、子ども食事用グッズや、急で困った時のミルク、授乳ケープなど、「ママのあったらうれしい備品」も用意している。

　また、午前中はママ向けのヨガや講座、専門家による発達相談などが毎日行われている。講座はすべて、こうした資格や特技をもつママが講師になっている。この日はバランスボールの講座が行われており、赤ちゃんを抱いたままママたちが参加していた。保育士さんも付いているので、赤ちゃんをあずけることもでき、安心だ。ただカフェで隣り合うだけではなかなか親しくなれないかもしれないが、こうした講座で一緒になって仲良くなることもあるそうだ。
　また、店内に設置された棚にはアクセサリーなどの品々が並んでおり、購入できる、これもまた、手作りが得意なママたちによるものだ。「子育て期間中に資格を取ったり、手作りしたり。ママって特技のある人多いんですよ。そういうことを活かせる場所にもなれば」と宮本さん。

　目指すのは、第2のおうちのようなコミュニティーカフェ。「ほっこりゆっくりくつろいだり、子どもと一緒にあそんだり…明日からの子育てへのパワーを充電してもらえるように。そしてママから始まった笑顔がいつしか家族みんなに広がり、お友達ママに広がる…そんなステキなきっかけになる場所がLOCOであったら最高です」と話されていた。

【はま】