素敵な贈り物

Pâtisserie Aux Bons Cadeaux

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 2015年2月2日更新

村方純さん

 「Aux Bons Cadeaux(オ・ボン・カドー)」というフランス菓子のお店が、11月、長浜市祇園町に開店した。
 店名の由来を尋ねると、シェフ・パティシエの村方純さんは、「『ボン・カドー』はフランス語で『素敵な贈り物』の意味」と教えてくれた。誰かへの贈り物にしてほしいという思い、お店そのものをおもてなしの空間にしたいという思い、そしてお菓子の素材は農家さんからの贈り物だという思いが込められているという。
 もともと環境問題に興味を持っていた村方さんは、大学ではエネルギー工学を専攻。しかし、CO2問題に関わる炭素サイクルの健全化という考え方を学ぶ一方、現在適用されている環境問題への手法は、根本的な解決につながっていないと感じていたという。
 「それよりも、誰もに共通する『食』に重きを置いて、地産地消を考えた方が炭素サイクルの健全化になるんじゃないか。自分に何ができるのかと考えた結果、お菓子づくりだと思うようになったんです」

左から時計回りにイチゴとカスタードのムースをサンドした「フレジエ」(450円)、スペイン産チョコレートをたっぷり使った「クラシックショコラ」(400円)、「マカロン シトロン」(180円)

 村方さんがお菓子づくりを始めたのは小学生の頃。自分でショートケーキを作ってみたら「お店よりおいしい!」と思ったのをきっかけに夢中になり、年齢を重ねるにつれて本格化。大学卒業後、一度は企業に就職したものの、給料をお菓子づくりに注ぎ込んでいたと笑う。24歳で仕事を辞め、本格的にフランス菓子を学ぼうと、東京の製菓学校へ。フランス語を勉強しながら働き、29歳でフランスに1年間留学、レストランやパン屋で、パティシエとして働いた。
 フランス菓子にこだわる理由を尋ねると、「食感や味がしっかりしていて、好きですね。スポンジにイチゴや生クリームをはさむデコレーションケーキは日本の洋菓子の歴史の中で早くから広まってきたものですが、味がぼやけて感じられて好きになれなかった。発想も固定化してしまっていると思った」。それに対し、本場フランスには材料の組み合わせや方法の試行錯誤を惜しまず楽しむという気質があり、刺激を受けたという。

「クグロフショコラ」(1,000円)生産日から2日程置くとよりしっとりしておいしい。

 開店して3ヶ月。近年のフランス菓子の主流・ムースもショーケースに並ぶようになり、ケーキの種類はますます充実してきた。店内のカフェも今月オープン。目指している地産地消、農家さんとの繋がりはまだまだこれからというが、第一歩として、近々、市内にあるイチゴ農家のイチゴでタルトをつくるという。お菓子について語る村方さんは、楽しさに満ちて、表現が一段と豊かになる。「このイチゴは実がしっかりしていて、タルト生地の食感にも負けてない。うちのタルトはアーモンドの風味がしっかりするように作っているんですが、イチゴの酸味がしっかりしていて、甘さと酸味のバランスが最高!」と嬉しそうに話してくれた。ひとつひとつのお菓子に試行錯誤の過程があり、こだわりについての話は楽しく、尽きない。
 おいしい食べ物はそれだけで贈り物だ。けれど、もっと素敵な贈り物として届けるために、村方さんは試行錯誤を続けるだろう。

 

Pâtisserie Aux Bons Cadeaux

滋賀県長浜市祇園町311-4 / TEL: 0749-53-2356
営業時間 10:00~18:00 / 火曜日、第1・3水曜日定休

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

はま

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