よそのおうちの収納

バスケットおおた

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 東近江市 2014年11月3日更新

 使っているときよりも、仕舞われている時間の方が長いものは多い。ものを大切にするということは、「いかに使うか」と同じくらい、「いかに納めておくか」を考えることなのだろうと思う。しかし使うこと以上にうまくいかないのが収納…そう感じるのは私だけではないと思うのだが、どうだろう。よその家のことはなかなかわからない…
 ところが、家の中の収納をすべて見せてくださるという方に出会ってしまった。

 太田清美さんは、ご主人と一緒に籐製品と雑貨を扱うお店「バスケットおおた」をご自宅でされている。もともと片付けは苦にならない程度に好きだったが、ご主人の実家に引っ越し、全面模様替えしたことをきっかけに、収納を徹底するようになったという。その後、たまたま遊びに来た知人に「どうしたらこんなにきれいな家にできるのか」と聞かれ、収納を見せたことで噂が広がり、家の中の収納を見せるようになった。ハウスキーピング協会「整理収納アドバイザー」2級に認定されているが、アドバイザーになるためではなく、自分の整理整頓の方法をチェックするために講座を受講、資格を取得したという。「家具も家族も違うので、収納は人それぞれ。自分がやるかやらないかだけの違いだから、うちのやり方を見て、自分もがんばろうって思うきっかけになればうれしい」と清美さんは言う。

 お宅にお邪魔すると、どこもすっきりと見通しがいい。清美さんに案内されながら、本当に家じゅうの収納を見せていただいてしまった。どの引き出しや扉の中も、一目で何が入っているか分かるようになっている。使うときのことを考え、仕舞いやすさが考えられて納められているもの達は、いつでも動き出せるように待っているかのようだ。引き出しを開けた瞬間、ものと目が合うように思えた。
 清美さんがお勤めを退職されたのは今年3月。介護など、決して楽ではないこともあるなか、小さくてもよい暮らしがしたいという思いがあるという。元々ご主人がされていた問屋に加えて、小売業もするようになったのはこの6月からで、知人の手づくりのものなども少しずつ販売している。収納を見せることも、お店をすることも、清美さんには「そうすると皆さんが喜んでくれる」という気持ちが共通している。「ひとが集まって、つながって、少し豊かになるような場になれば」と、日々試行錯誤しているという。
 数日後、台所を少し片付けてみた。よく使うものを手前に、同じ種類のものは同じ場所に、小さなものも箱で仕切って居場所をつくる、一目で分かるように…教えてもらったことを思い出しながら手を動かしていると、随分きれいになった。先ほどまで道具の間で縮こまっていたペーパーフィルターと目が合ったとき、とても嬉しくなった。
 すでにお済みの方も多いのかもしれないが、衣替え、模様替えの季節。「バスケットおおた」のベルを鳴らしてみてはどうだろう。

バスケットおおた

滋賀県東近江市平柳町1694
TEL: 090-2598-6968
不定休

※ご来訪の際は事前にお電話ください。

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

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