自転車のビジネスに迫る

NPO法人五環生活 近藤隆二郎さん

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2013年3月28日更新

近藤隆二郎さん

 3月15日、学芸出版社から『自転車コミュニティビジネス エコに楽しく地域を変える』と題した書籍が出版された。空前の自転車ブームに伴い、全国各地で新たな自転車コミュニティビジネスが次々におこり、地域を変え始めている。各地の自転車コミュニティビジネスの現状と可能性を一挙に紹介した初のガイド本である。この本の企画とメイン執筆を行ったのは、滋賀県立大学環境科学部の近藤隆二郎准教授。NPO法人五環生活と輪の国びわ湖推進協議会のメンバーが取材や執筆を手がけている。 五環生活は、彦根市で自転車タクシーやレンタサイクル、コンサルティングなど、広く自転車の事業にたずさわっている。輪の国は、びわ湖一周サイクリングを通した自転車利用促進を行っている市民団体である。
 この本のアイデアが持ち上がったのは、2011年末頃。「代表理事を務めているNPO法人五環生活が5周年を迎えたのを機に、何か形に残そうとの話が出たのがきっかけ」と近藤准教授は話す。団体の5年間を振り返り、事業の位置づけ、自転車を通じたまちづくりの結果をまとめようとの話が、出版企画へとつながった。五環生活の活動だけでなく、ほかの事業の活用事例も幅広く紹介しようと話がふくらみ、五環生活のスタッフや関係者らが手分けして取材を行った結果、北海道から沖縄まで、全国各地の面白い事例が詰まった本になった。
 レンタサイクル、自転車タクシー、駐輪場ビジネス、自転車便、自転車マップなど、すでに日本でも確立しつつあるビジネスから、サイクルカフェ、放置自転車リサイクル、自転車イベントなど、徐々に広がっているムーブメント、さらには女子自転車まで、さまざまな角度から多くの事例を取り上げている。自転車の魅力や使い方、楽しみ方を紹介しながら、裾野が広く、利用者が多い自転車がビジネスチャンスとなっていることや、五環生活という実験の場で得た感触なども載せている。「自転車を使ったビジネスというと難しく感じるかもしれませんが、お店を開くときに駐車場だけでなく駐輪場を整備するとか、イベントの参加者に自転車で来る方がいると想定するなどでも世の中は変わります。生活など、あらゆることに自転車をプラスして考える  +CYCLE(プラスサイクル)  を推奨していますが、この本が+CYCLEのヒントになるといいですね」。
 「たくさんの事例が載っていますが、もちろんすべてを紹介できたわけではありません。今後もさまざまな観点から自転車コミュニティビジネスを手がける団体、自治体、企業などを紹介して行きたいと思います」と近藤准教授。「今回の本を読んだ各地の団体や企業から『うちが載ってないじゃないか』との声が上がってほしいと思います」。
 実はこの記事を書いている自分も、この書籍には深くかかわっている。取材に行き、校正をし、写真を手配し、内容の確認をし……と、気が遠くなるような作業の果てにようやく完成したこの本。手前味噌もはなはだしいが、面白い内容になったんじゃないかと思う。できるだけ多くの人が読んでくれたらと、願ってやまない。

近藤隆二郎さん

滋賀県立大学環境科学部准教授(専門:環境社会システム、環境計画)、NPO法人五環生活代表理事、輪の国びわ湖推進協議会会長。1965年生・大阪大学大学院工学研究科博士後期課程単位取得退学(1994年3月)、和歌山大学システム工学部環境システム学科講師・助教授を経て、滋賀県立大学環境科学部環境政策・計画学科准教授(1999年~)、同教授(2013年~)
ブログ「五環・巡礼・顔出し看板・インド…
『自転車コミュニティビジネス  エコに楽しく地域を変える』近藤隆二郎/編著・NPO法人五環生活+輪の国びわ湖推進協議会/著 学芸出版社 1,900円+税

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

みなみ

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