私が出会った宇宙

眞野丘秋さん

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2012年3月28日更新

 昔……、高い熱が出て浅い眠りしかできない日には、なぜか同じ夢を見た。私の場合、小さい人と模様だった。小さい人はいつも3人で、甲高い声で何かを話し続けており、不規則な形の模様は浮かんでは消えていく。その形や質感や色彩を人に説明するのは難しい。ただ、強烈な印象だけを残し、今でも忘れることはできない。眞野丘秋(まのたかあき)さん(35)の描いたものを見たときに、夢の記憶がよみがえった。
 彦根市にお住まいの眞野さんは、アクリル絵具などを使って絵を描いている。ジャンルでいうならば抽象というのだろうか、模様や形、ときには生き物らしきものが描かれている。原色の色使いが多い。「こういうことを描こう、表現しようと描いているものではないんです。コンセプトもありません。社会的、集合的なエネルギーの変化をオートマティックに描いています」と眞野さんは説明する。

 眞野さんとは何度か休憩を入れながらゆっくりと話をした。元々は音楽をしていたこと。19歳のときにインドやネパールなどを放浪していたこと。そのときに「自分が再生」したこと。輪廻転生を信じるようになったこと。スピリチュアルな世界について。宇宙のこと。それは「社会的、集合的エネルギーの変化」や「オートマティックに描く」ことについてかみ砕き、共有する時間でもあった。
 眞野さんの絵にはタイトルのついていないものが多い。「宇宙のエネルギー、波長といった大きな流れの一部分を、僕というフィルターを通して写し取っているだけなんです。だからタイトルをつけるならすべて、そのとき宇宙に見えていたもの、になってしまうのであえて無題にしています。便宜上、描いたものを『作品』と呼んでいますが、創作でもない。朝起きて顔を洗ったり、ご飯を食べるのと同じように生きていることの一部なんです」。

 これらの絵はすべて宇宙で起こっていることなんですか、と改めて聞いた私に、眞野さんは「はい」と答えた。そういう世界を信じる人もいるだろうし、信じない人もいるだろう。私はニュートラルな状態でいたいと考えてきた。あったらおもしろいとも思う。今もそう思っている。
 眞野さんにお会いするのは初めてだとばかり思っていたのだが、実は一度会っていたというか、すれ違っていた。ふっと目があっただけの見ず知らずの私に、眞野さんはほほえんで会釈してくださった。柔らかく、自然な仕草だった。そんな眞野さんを通して描かれた宇宙なのだ。

 

眞野丘秋さん

滋賀県彦根市千尋町23
TEL: 090-9992-3757
http://www8.ocn.ne.jp/~shamcre/

作品展「変容するエネルギー」

会期  2012年4月と5月の毎週土曜・日曜日  10:00〜17:00
会場  宿駅 座・楽庵 / 彦根市高宮町1121

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

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