黒のスイーツ

黒どらと黒シュー

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2010年1月21日更新

 ここ数年来、「黒色」モノが流行っている。まな板、耳掃除用の綿棒など……。以前なら考えられないモノが、すんなり受け入れられている。食べ物も然り。彦根では黒いスイーツが登場し好評だという。

「菓子工房 カシュカシュ」の「黒いシュークリーム」

「菓子工房 カシュカシュ」の「黒いシュークリーム」

 旧愛知川町、中山道沿の和菓子店「吉福庵」が一昨年、彦根に洋菓子店「カシュカシュ」をオープン。「黒いシュークリーム」は両店舗を経営する吉川猛さんが、開店1周年を記念し創作したものだ。黒ごまのペーストを練り込んだ特製生クリームと、竹炭を配合したシュー生地とのグラデーションが美しい。
 吉川さんは城郭好きで、彦根のまちなかをぶらり歩くのが息抜きなのだという。1周年記念のお菓子は彦根にちなんだものをと構想を練っていたときに、彦根城のお濠に住む黒鳥に気づき、「黒いスイーツから、彦根藩の歴史につながっていくのもおもしろいと思いました」と吉川さんは話す。黒鳥は彦根の友好都市水戸から贈られたものだ。桜田門外で大老井伊直弼を襲った浪士たちの出身地である。
 黒い色味の食材は、体に良いとされるものが少なくない。竹炭は浄化作用があるといわれ、無味無臭なので生地の風味や食感を損ねることもない。黒ゴマは動脈硬化予防や老化防止に効能があるようだ。

菓子工房 カシュカシュ

滋賀県彦根市平田町292-6 ナカムラビル1階
TEL: 0749-22-6008
営業時間 9:00〜20:00 水曜定休

黒いシュークリーム 126円

吉福庵でも販売
滋賀県愛荘町石橋708 / TEL: 0749-42-3004


 ふたつのスイーツ、どちらも城下町彦根をキーワードに考案したところ、黒色になった。最初から黒色や健康志向のお菓子を創ろうと目指していたのではないところがおもしろい。彦根藩の色といえば「井伊の赤備え」の「赤」を思い浮かべるが、「黒」もまた彦根をイメージする色なのかもしれない。「ブラック」と名乗らず「黒」とするところが妙なるところである。

 

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