波うさぎを求めて

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 甲良町 2014年3月21日更新

 僕は、波間を跳ぶうさぎのキュートな文様に魅せられコレクションしている。この文様の名は「竹生島文様」という。「波うさぎ」「波にうさぎ」「波のりうさぎ」などの呼び方もある。
 謡曲『竹生島』に次のような一節がある。「緑樹影沈んで 魚木に登る気色あり 月海上に浮かんでは 兎も波を奔(はし)るか 面白の島の景色や」(「奔る」は勢いよく動き回ること)。神秘的で美しい情景だ。家紋や焼き物の図柄で親しまれている日本の伝統的文様「波うさぎ」は、謡曲『竹生島』に由来し、淡海発祥の文様だと僕は今も信じて疑わない。そして僕は、湖東湖北に存在する竹生島文様を、ずっと探し求めているのだ。
 彦根市宇尾町のお住まいの方から電話をいただいた。蔵の片側にひとつあるというのだ。まだ訪ねていない……。天気の良い日を選び、時間に余裕のある時をと思ったのが間違いだったのかもしれない。そんなに都合のいい日があるわけがない。思い立ったが吉日と決めて、近々訪ねてみようと、その日が待ち遠しい。「ひとつある」というのだが、この文様、大抵は対である。
 写真は、甲良町金屋の金山神社本殿の波うさぎだ。前を向くうさぎと振り返るうさぎが対になっている。また、月が文様に加わっているものがあり、月の存在が対をなす場合もある。何らかの意味がそこにはある。
 少し前、竹生島宝厳寺の波うさぎが3匹なのに気づき、不思議に思い尋ねたことがある。思ったとおり、元々は4匹だったことが判った。宇尾町の蔵のうさぎも僕は何処かにもうひとつあると確信している。
 まだ見ぬ愛しの波うさぎなのだ。

小太郎

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