とんてんかんと響く鍛冶屋町へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 2013年6月10日更新

 長浜市鍛冶屋町。約840年前から鍛冶職人が暮らし、武具の生産や野鍛冶で栄えた歴史を持つ集落である。明治期には100軒以上が野鍛冶をしていたというが次第にその数は減り、昭和38年頃には姿を消したという。
 その鍛冶屋町で今月22日と23日の両日、地元のまちづくり委員会が企画した「とんてんかん in 鍛冶屋」というイベントが初開催される。聞けば実に盛りだくさんの内容で、現存する鍛冶小屋での鍛冶体験や五寸釘からペーパーナイフを作る体験が出来る他、地元の作家による書や日本画、針孔写真、わら細工、鉄工芸の作品展示も行われる。さらに、会場となっている立派な古民家が2日限りの古民家カフェに変身し、田舎料理バイキングやカフェが楽しめるのだそうだ。
 イベントの代表を務める草野豊行さんは「鍛冶屋のことを外に発信する初めての試みです。地元の人にも鍛冶屋の良さを改めて感じてもらう機会になれば」と語る。
 さて、草野さんは4年前よりまちづくり委員会の中でも鍛冶部会として活動している。部会では現在、鍛冶屋町で唯一鍛冶小屋としての機能を残す「萬右(まんよ)鍛冶小屋」で月2回、昔ながらの鍛冶作業を実践している。メンバーの中には子ども心に鍛冶作業の風景を覚えている人もいるそうだが、実際の鍛冶作業は全員初心者だったという。地元の古老に指導を受けながら少しずつ技術を身につけ、最近では地元の小学生の体験学習や県外からの見学も受け入れている。
 普段なかなか見ることの出来ない鍛冶作業だが、想像以上に面白いのである。
 使い込まれた道具が並ぶ小屋の中で、炭火で熱した鉄を持つ「ハコマエ」と槌で打つ「ムコウヅチ」が息を合わせ鉄を打つと音とともに火花が散り、鉄がゆっくりと形を変えていく。その様子はきっと大人も子どもも一緒になってワクワクできると思う。
 再来週の土日は「とんてんかん」と鳴り響く鍛冶屋町に遊びに行ってはどうだろうか。

 

とんてんかん in 鍛冶屋

日時 6月22日(土)10:00~17:00 / 23日(日)10:00~15:00
場所 長浜市鍛冶屋町  「坐外堂」「まんよ鍛冶小屋」

  • 展示(日本画、鉄工芸、書、針孔写真、わら細工、民具)
  • ワークショップ「ペーパーナイフを作ろう」(22日 10:00・13:00・15:30 / 23日 10:30・13:00)

参加費1,500円 ※事前に予約もできます。(090-1983-4722 山田まで)
鍛冶小屋での鍛冶体験 参加費無料
食事  田舎料理バイキング・うどん・コーヒー・ジュース・ビール・お菓子

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

青磁

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