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真冬の怪談話

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2013年2月11日更新

 昨年10月13日、「日本号」という演目でひこねのための新作講談があった。地域の歴史を講談仕立てで学ぼうという企みらしい。講談師は有名な旭堂南海師である。来年のNHK大河ドラマ「黒田官兵衛」にも関係する話だった。
 民謡黒田節に、「酒は呑め呑め 呑むならば 日本一のこの槍を 呑み取るほどに呑むならば これぞ真の黒田武士」と唄われる槍が「日本号」である。
 彦根市甘呂町に「天九郎俊長淬刃之水」という石碑と側に「天の井」という井戸があり今も渾々と清らかな水が湧いている。天下三名槍の一筋「日本号」は『江州甘呂の住人天九郎俊長が鍛えた名槍である』と伝わっているのだ。
「日本号」を中心に、甘呂町の天九郎俊長の話を折り込み、日本刀剣史上もっとも著名な刀工の一人正宗にまで話は及ぶ。講談の後、もう一度聴いて覚えたいと思うほど興味深いものだった。
 そして2月23日、再び旭堂南海師の講談がある。「日本号」ではなく「おきくの皿」という演目だ。
 立春を過ぎたとはいえ真冬の怪談である(私的にはもう一度「日本号」が聴きたい)。怪談「番町皿屋敷」の作者岡本綺堂が、各地に残るどの「菊女」伝説を元にしたかは定かではないが、彦根の長久寺には寛文4年(1664)の実説として「菊女」の話が伝わる。寺宝として「お菊の皿」が遺り、無縁仏だがお菊の墓も境内にある。
 第二回となるひこねのための新作講談は、江戸時代の怪談「番町皿屋敷」が生まれる時代背景と、長久寺の菊女伝説や井伊家代々の高官武家である孕石家に伝わる家宝の白磁を巡る縁を、旭堂南海師が語る……。土曜日の午後だから怪談といっても怖くはないから聴きに行こうと思っている。

第二回ひこねのための新作講談「おきくの皿」旭堂南海師

会場: スミス記念堂  彦根市本町3丁目58番地
開場13:00・開演13:30 / 入場料 500円(40席)

電話またはファックスでお申込みください。参加の旨、お名前とご住所、電話番号をお知らせください。40席に達しましたら締め切りますので、予めご了解ください。
TE: 0749-24-8781・FAX: 0749-27-2621

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

編集部

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