狼少年の映画ポスター展 1

彦根・花しょうぶ通り 逓信舍

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2012年11月2日更新

 戦国をテーマに盛り上がる花しょうぶ通り商店街の、旧川原町郵便局舎(高﨑家住宅主屋)が、新しく「逓信舍」という名前で11月3日にオープンする。「寺子屋力石」「戦國丸」を運営する「LLP(有限責任事業組合)ひこね街の駅」が、「情報」をテーマとした第3の街の駅として、新たな賑わいを創出する取り組みを進めている。
 旧川原町郵便局舎は、2011年、国の登録有形文化財となった近代化遺産である。高﨑家住宅の建築年代は江戸後期、文書も多く遺されており「高﨑家文書」として彦根城博物館に保管されている。
 建物は、木造2階建ての伝統的な町家で、昭和9年(1934)に郵便局舎への転用にともない、建物の前面が洋風外観に改造され、2階にも天井高の高い居室が増築された。この洋風の郵便局舎部分を利用し、1階がカフェ、2階はギャラリー兼オフィスとなり、民間のフィルムコミッションを目指す「彦根を映画で盛り上げる会」が事務局を構える。
 既に建物の利活用は始まり、滋賀県立大学生が建物の改装や耐震工事を行い、聖泉大学生がインターネットラジオ放送を、滋賀大学生はデジタル・アーカイブ事業や賑わいを創出するためのソフト事業に取り組んでいる。
 実は、僕らも「DADAラジオ」と題して毎月第1・第3日曜日の午後2時〜3時の放送を担当している。DADAジャーナルの記事や、近代化遺産について話をしている。万が一、とても暇な日曜日の午後に、「DADAラジオ」のことを思い出したら、聴いていただけたら嬉しい。
 ところで、この建物の敷地は奥に向かうにつれて広がる台形で、敷地いっぱいに建物が建てられている。一般的に台形状の歪みは、トオリニワ(通り庭:表から裏口まで続く土間のこと)を設けて部屋を直角に保つのが一般的だが、高﨑家住宅はトオリニワの代わりに、1階、2階とも板の間や床の間、押し入れや仏間の収納スペースが台形になっている。表に近くなるほど収納の奥行きが狭くなっているのである。
 最初、この台形のスペースを見た時、「何なんや!」と思った。「四角いモノが四角くはいらんやん」と。しかし、台形の理由を知ってからは妙にこのスペースが愛おしい……。知らなければ単なる台形、理由を知れば愛おしい台形である。
 近代化遺産は、近代化を物語る記憶装置のようなものだ。建物の価値だけでなく、その時代を生きた人々の営みが背景にある。近代化遺産の保存は建物を継承するだけではなく、当時の人々の営みも含めてアーカイブするためにあるのではないだろうか……。使い辛いが愛おしい台形がそうであるように、振り返ろうとすればそこに様々な記憶がある。
 前置きが長くなったが、逓信舍のオープンを飾るのは『狼少年の映画ポスター展』だ。狼少年は僕の友人で、秘蔵のコレクション20点余りが展示される。
 映画のポスター展……。誰もが同じように思い出を語ることができ、個人的な切ない気持ちも甦るかもしれない。振り返ろうとすればの話だが。
 狼少年については、次回紹介したいと思っている。

 

MANIWA COLLECTION 狼少年の映画ポスター展

日時: 2012年11月3日〜11月20日 10:00〜17:00
場所: 逓信舍 2F ギャラリー(滋賀県彦根市河原2-3-4)
TEL: 090-3267-7712

ギャラリートーク 11月3日17:00〜18:00 / 11月20日17:00〜18:00

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

小太郎

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