ゼロ泊3日カロムな旅

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2011年11月16日更新

 カロムのこととなると、特別である。10月29日、福島県いわき市いわき中央台公民館で、ハロウィン祭り&カロム大会が行われる。行かなくては……、ゼロ泊3日の無謀な旅に出た。
 東北大震災から7ヶ月あまり、そこには、復興を願う人たちがつくりあげた、いわきのカロム盤があった。
 「みんなともだちプロジェクト in いわき」の原田由香さんに話を聞いた。
 「シンガーソング絵本ライターの中川ひろたかさんが、『みんなともだちプロジェクト』を立ち上げ、震災復興のために、『そうだ!カロムを東北で作って、復興の手伝いをしよう』ということになって、福島県いわき市で始めることになりました」。
 カロムに関する知識は全くなかったそうだ。『カロムロード』(杉原正樹編著 / サンライズ出版)を読んで勉強し、カロム盤の試作を繰り返し、良いものを作ろうと2ヶ月を費やしたという。家具屋さん、木工所さん、印刷屋さん、障害者施設のみなさん、建築関係の方、主婦の方々が集まっての製作だった。盤の中央には、絵本作家の村上康成さんが描くプロジェクトのシンボル「福島に生息する鳥のキビタキとオオルリ」が描かれている。赤と緑それぞれ12個でゲームをするのが当たり前の僕らにとって、それぞれ6個でゲームができるように工夫してあるなど、デザインそのものがオリジナルだった。驚きは、玉(パック)。障害者施設のみなさんの手作りで、ひとつ一つ面取りして仕上げてあるのだという…。詳しく書くことはできないが、ルールもオリジナルだ。
 大会は、30人の定員のところ40人の小学生が参加。初めてカロムに触ったという子どもたちも多くいた。それでもカロムはやっぱり盛り上がるのである。震災復興のために生まれたいわきの盤を使った第1回大会のその場に、僕は立ち会うことができた。ゼロ泊3日の無謀な旅が報われたと思った……。
 「みんなともだちプロジェクト inいわき」の今後の計画を原田さんから打ち明けられた。
 「C1カロムグランプリの開催です。C1の「C」はcaromのCです。どんな小さな単位でもいいから、全国各地で地区予選会を行い、予選を勝ち抜いた個人、チームが全国大会の切符を手にできます。そして、私たちには東北の復興が目標にありますから、全国大会をいわきで、東北で、開催したいのです」。 
 いわきカロムロードの未来に期待したい。そして、応援したい。ゼロ泊3日のカロムな旅を重ねることになると思う。

 

編集部

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