大縁日と、秀吉、秀頼

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 木之本町 2010年8月18日更新

木之本地蔵院の鰐口

 夏休みが残り少なくなった頃の最大の楽しみは木之本地蔵大縁日だった。長浜に住んでいた私の距離感覚では木之本はちょっとしたお出かけで、北国街道沿いに立ち並ぶ露店に心躍らせていた……。木之本地蔵大縁日は年に一度執り行われる木之本地蔵院のご本尊・地蔵菩薩の大法要であり、境内の大きなお地蔵様は、秘仏であるご本尊の移し身だと知ったのも、もちろん後のことだ。夕暮れの露店に一斉に電球が灯り、夏の終わりを惜しむような華やかな風景が印象に残っている。

本堂階段の擬宝珠

 ところで最近、本堂の階段の擬宝珠と、大きな鰐口に、「秀頼公御建立」、「秀頼様建立」の銘が記されていることを知った。秀頼とは豊臣秀吉と側室淀殿の子・豊臣秀頼のことで、淀殿は浅井長政の長女・茶々のことだ。
 慶長3年(1588)に秀吉が死去し秀頼が家督を継ぐ。その2年後の関ヶ原の合戦で、豊臣家家臣である石田三成と徳川家康が争うことになる。戦いを制した家康は豊臣家の所領を奪い、秀頼は一大名に転落。家康は豊臣家の弱体化を図ろうと、秀頼に各地の神社仏閣に寄進をさせ、散財させたといわれている。そのひとつが木之本地蔵院の鰐口と擬宝珠なのだという。

「秀頼公御建立」と記されている

 過去と現在が、曖昧に繋がっている。ひとつは、縁日を楽しみ露店を眺めている私。そして、関ヶ原の合戦後の豊臣家と木之本地蔵……。どちらも同じこの場所である。更に、時代を遡ると、織田信長の後継を巡って秀吉と柴田勝家が争った賤ヶ岳の合戦で、秀吉は木之本地蔵院の領地に本陣を置いている……。
 そこには相変わらず、夏休みがもうすぐ終わるという未来しかないが、露店に灯る電球に、過去への遠望は果てしない。
 露店に心躍らせる自分であり続けられれば、幸せなのだが……。

木之本地蔵院

滋賀県長浜市木之本町木之本944
TEL: 0749-82-2106

大縁日 8月22日(日)〜25日(水)・期間中の参拝時間8:00〜22:00 / 大法要 23日(月)20:00〜 / 御祈祷法会は期間中8:30〜19:30(1時間毎に12回。御祈祷受付は各時間の10分前まで)

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

椰子

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