石田三成茶の井とひこねキャンドルナイト

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2010年7月14日更新

仙琳寺の竹薮の中にある石垣

石田三成が水を汲んだと伝わる井戸

 彦根、佐和山の麓に仙琳寺という寺がある。彦根古絵図には佐和山天守から千貫池、蛇谷、御殿跡となぞると、蔵跡があり、現在の仙琳寺の場所は愛岩(宕)山と記されている。彦根藩4代藩主井伊直興(1656〜1717)の庶子本空(幼名千代之介)を開基とする天台宗の古刹である。境内には、本堂、聖天堂、愛宕社、行者堂、観音堂、恵明堂があり、特に恵明権現は、首から上の病にご利益があるといわれ、豆腐を一丁お供えし願をかける。豆腐の白さに思いを込め、かつては乙女たちが美顔美白を祈願しに来ることもあったという。
 嘉永5年(1852)から安政5年(1858)までの江戸・彦根あわせて78会を収録した茶会記『懐石附』には、「仙琳寺亭」「仙琳寺」「仙琳寺亭四畳半席」など、仙琳寺の記載があり、仙琳寺を亭主、井伊直弼を客として茶会がたびたび行われていたことが記されている。
 また、前号で触れたが、関ヶ原合戦後、三成の徳を慕う領民が、命を賭けて密かに佐和山に入り、石田三成一族や家臣の霊を弔うために祀った「石田地蔵」が集められている場所だ。
 そして、石田三成の茶の井が今も残っている……。『仙琳寺には、三成の時代に茶室が設けられていて、今も裏の竹藪の中に三成が水を汲んだと伝わる井戸が三つ、枯れずにあるという』(『三成伝説 現代に残る石田三成の足跡』オンライン三成会編・サンライズ出版)。本堂と佐和山の間、いまは倒竹が重なり鬱蒼とした竹藪の中に、井戸が三つあるのだ。
 急斜面だった。竹藪の中に、方形に組まれた高さ2メートルほどの石垣に囲まれた井戸があり、奥底で水が空を映していた……。 ところで、「ひこねキャンドルナイト実行委員会」は、2007年から毎年キャンドルナイトを行う市民団体だが、本年は仙琳寺の竹林整備を手がけ、切り出した竹をキャンドルホルダーに使うこと計画している(9月23日・11月6日。仙琳寺プロジェクトというらしい。ホームページで、竹林整備のお手伝いを募集している)。 石田三成、井伊直弼、茶の井、竹藪、キャンドルナイト、繋がりそうにないものが、現代で結ばれるのが面白いな〜と思うのである。

ひこねキャンドルナイト実行委員会

滋賀県彦根市本町 2-1-3(夢京橋あかり館内)
TEL: 0749-27-5501 / FAX: 0749-27-5502
http://ii-ii.jp/2010/

仙琳寺プロジェクト

http://senrinji.ii-ii.jp/

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

小太郎

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