レキジョのための基礎知識 3
石田三成「像」を巡る旅

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 2009年7月12日更新

 戦国時代、近江を制する者は天下を制すといわれていた。特に、信長や秀吉をはじめ、多くの武将たちが手を伸ばした湖北地域だが、やっぱり石田三成の存在感が大きい。敗軍の将でありながら、後世に語り継がれるだけの何かを持った人物だったのだろう。
 現在でもそのカリスマ性は強く、像が建てられている場所は思いつくだけで4箇所あり、一日かけてゆっくり巡ることができる距離にある。

長浜駅前の三成像

石田町の三成像

北郷里小学校の三成像

龍潭寺の三成像

 まずは長浜駅前にある「出逢いの像」。石田三成と豊臣秀吉が出逢った時の有名な「三献の茶」のワンシーンを模している。少年期の三成の像は、秀吉を前に毅然とした表情で茶わんを持って立っている。
 続いて、出生地である石田町にある銅像。石田三成公事蹟顕彰会の活動拠点となっている石田会館の敷地内にある。きちんと髷を結い、口ひげを蓄え文官然とした落ち着いた姿である。
 3箇所目は、少し変わった場所にある。長浜市立北郷里小学校の玄関だ。学区内の石田町から寄贈されたもので、8年前、当時の校長先生が児童教育のために設置したのだという。黒色の石膏像だ。子どもたちに挨拶の大切さを伝えることを目的に、センサーが反応して「おはよう。今日も元気に…」「こんにちは。今日も笑顔で…」「さようなら。安全に気をつけて…」と話しかけるようになっている。喋る三成像は全国でもここだけだろう。最近では英語学習を生かして、「Good Morning!」と英語指導の先生が吹き替えをしているそうだ。
 台座に書かれている「三成承学」の文字は、代々、北郷里小学校で受け継がれているスローガンである。地域の偉人の三成の名前にちなんで造られた四字熟語で、子どもたちがそれぞれ3つの目当てを立て、その実現に向けて学習していく。「生命・人権・規範」でも「朝昼晩の歯磨き」でも、なんだっていい。3つ全てが成ったとき、大きく成長するという意味が込められている。元は、石田町の銅像を作る際のモデルとして作られたといわれ、容姿はまったくそっくりであるそうなのだが、こちらは、どこか子どもを見守っているような優しい印象である。
 そして、最後の1箇所は彦根市佐和山の麓、龍潭寺にある。隣接する清凉寺との間の竹林の中にひっそりと建っている銅像で、最後の城主として自身の信念を貫こうとした三成を髣髴とさせる雰囲気だ。
 これまでの歴史では、徳川家に歯向かった悪役として取り上げられることの多かった三成だが、最近、それを見直そうという動きがあるそうだ。心の機微を察する性格であったり、友情に篤い一面があったりと、様々な三成の表情が浮き彫りにされてきているという。
 実際の三成は、鼻筋の通った細面の顔立ちをしていたらしい。近江の三成像はそれぞれに微妙に異なった表情をしているのが面白い。それらを巡ってみるのも、湖東・湖北ならではの歴史の旅である。

北郷里小学校の三成像見学は事前連絡が必要です。
TEL: 0749-62-0782

金凪

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