狐穴

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2018年5月7日更新

彦根市池州町の花山院稲荷社。社の台座の石組みにも「狐穴」。

 前回、「狐穴」について書いた。稲荷の社の裏に狐が出入りできる穴があいているという話だ。彦根市本町の宗安寺の「旧上魚屋町稲荷」と高宮町「豊勝稲荷」にはちゃんと狐穴があった。以来、1ヶ月、僕は、他の稲荷社にもあるに違いない……と、お参りしては社の裏に回り有無を確かめ続けている。その成果はいずれ報告するとして、ひとつの発見があった。

 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の曾孫の小泉凡先生(民俗学者)から「八雲はフォックス・フォールについて書いているのです」という話を聞いた。八雲の本を何冊か買い込んで(勿論、日本語)、「狐穴」について書いてあるところを探した。
 「狐」の章。城下町松江での話である。

彦根市八坂町の木和田神社にある稲荷社。凝った造りの「狐穴」。

★「さて、稲荷神社の社殿の裏手の壁には、たいてい、地面から数十センチのところに、直径二センチほどの楕円か円形の穴が開いているのを見かける。引き戸で、自由に開け閉めできるようになっている場合も多い。この丸い穴は狐の穴で、開けて中をのぞくと、豆腐などの狐の好物とされる食物がお供えしてある。穴の下や穴の近くの木製の小さな出っ張りの上や、穴の端に米粒が蒔かれてあったりする。(ラフカディオ・ハーン(2015)『新編 日本の面影Ⅱ』池田雅之訳, KADOKAWA)

★「ほとんどすべての稲荷神社の裏には、ふつう地面から一、二フィートの高さの社の壁に八インチばかりの楕円か円形の口が開いているのを見かける。それはふつう引き板で思うままに閉めることができるように作られている。この丸い穴は狐穴であり、それを開けて覗きこめば、たぶん豆腐のお供え物とか、狐の好物だと思われている食べ物を見ることができる。それに穴の下かそのそば、あるいは穴の縁に突き出た木の台の上に米粒が撒かれているのを見かける。(小泉八雲(2015)『神々の国の首都』 平川祐弘編, 講談社)

 八雲はおおよそ100年前にこのことに気づいた。
 また八雲は、「狐の像は地方よりも出雲の方がその数は多いようで」と記している。僕らは「彦根の城下町は稲荷密度が他より高いのではないか」と書いた。八雲の目線を獲得した気分である。100年後の僕らは城下町彦根で「狐穴」を探し始めた……。「稲荷」は城下町の文化なのだろうか。稲荷詣での範囲を拡大しなくてはならない。

淡海妖怪学波

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