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半月舎だより 8

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2017年4月27日更新

憧れの「本屋エプロン」

 本屋の制服といえばやはりエプロンだろう。そんな安直な理由から「半月舎のエプロン」をつくろうと思い立ち、早3年ほどが経つ。こんなに時が経ってしまっているのは、どんなエプロンにしたらよいか、思い定めることができなかったからである。近所のシャツ屋さんがエプロンもつくっているので相談に行ったこともあるのだが、「ポケットには何を入れるの?素材はどんなものがいい?」と聞かれてもうまく想像ができなかった。思えば当時は今ほど本の買い取りも多くなく、動かす本の量は現在の半分にも満たなかったのだ。常に携帯する道具についても、ペン以外の道具が思いつかなかった。そんなこんなで話は立ち消えになった。まだエプロンが必要な時期ではなかったのだと思う。
 さて今年の3月、私は初めて本屋さんでアルバイトをした。市内の高校などに教科書を販売する、短期間の仕事である。私は古本屋のかたわら従事したので、参加したのはわずかな仕事だったが、それでもとても勉強になった。
 教科書販売の仕事は、むしろ販売に到るまでの教科書の仕分けなどの作業が大半を占めた。本屋さんの仕事は肉体労働であると聞いていたが、教科書販売の仕事も例にもれず、大量の段ボール箱に入った教科書を次から次へとさばいていく力仕事であった。そして同じことを延々と反復する単純作業でもあり、一冊の誤差もゆるされない慎重さがもとめられる仕事でもあり、最終的な販売の状況に合わせて頭を使う労働でもあった。
 この仕事をするに当たって、制服としてエプロンが支給された。最初は「これは憧れの『本屋エプロン』!」とのんきに喜んでいたのだが、このエプロンが本屋にとっていかに役立つものか働いてみて実感したし、本屋に必要なエプロンとはどんなものか、少しわかってきた。
 まず段ボールや本を抱える仕事で胸から膝にかけては埃っぽくなるし、洋服の生地も傷むので、エプロンの生地は丈夫で、汚れの目立たない色のものがよさそうである。また各種ペンや梱包ヒモを切るカッターなど細々した必需品も多いので、大小のポケットがふんだんにあるといい。また、ポケットにいろいろ入れると少々エプロンが重くなるので、肩ひもは太い方がよさそうだ。支給されたエプロンはまさにそうした条件が兼ね備えられているものだったし、エプロンは仕事の効率にもかかわると思った。
 膨大な買取もこなしつつある今こそ仕事の助けとなるエプロンが必要であるし、今ならエプロンをつくれると思えてきた。機は熟しつつある。この夏こそは「半月舎のエプロン」をつくりたい。

M

編集部

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