彦根城の重軽石

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2017年5月5日更新

 桜の頃を過ぎ、彦根城は新緑の季節を迎える。「国宝・彦根城築城410年祭」の真っ只中だ。僕らの間では6月4日(日)午後に予定されている「航空自衛隊ブルーインパルス展示飛行」の話題でもちきりだ。彦根城周辺の上空で行われる華麗なアクロバット飛行(これを展示飛行と呼ぶ)を、何処から撮影するのか……。多分、生きている間二度と訪れないだろう一瞬なのだ。
 以前にも書いたことがあるが、僕は彦根城を思うときいつも記憶をよぎる詩がある。

彦根城にのぼると
小人には琵琶湖がみえる
大人には日本がみえる
偉人には世界がみえる

 イギリスの詩人バートン・マーチンが彦根城にのぼり、井伊直弼を思い書いたものだそうだ。バートン・マーチンについて調べてみると、ネット上では、同姓同名の人物を見つけることはできるが、詩人バートン・マーチンの記載は無い。
 僕がこの詩を知ったのは、フィールドワークをしながら小中学生が彦根の歴史を学ぶ「ふるさと研究友の会」でのことだった。僕の彦根城に関する知識はこの友の会で得たものがほとんどだ。
 彦根城の別名は金亀城という。城のある彦根山は、彦根城築城以前、金の亀に乗った観音様のおられる観音霊場だったことに由来する。目の病に御利益があるといわれ、多くの人が彦根山観音に参詣し信仰を集めていたのである。
 その名残か、彦根城大手門には地蔵堂(大手門橋と券売所の間)があり今も朝夕お参りする人の姿を見かける。この地蔵堂に「重軽石(おもかるいし)」があることはあまり知られていない。
 重軽石は「石を持ち上げ、その重さの感じ方で、願い事の成就の成否、或いは成就が近いか遠いかを占う石」のことである。有名なのは伏見稲荷大社の「おもかる石」だが、他所にもあるようだ。
 「願い事をし、石を持ち上げ予想より軽ければ願いは叶い、重ければ叶わない」、「まず、石を持ち上げてみる。そして願い事をし、もう一度その石を持ち上げてみる。そのとき、最初に持ち上げた時よりも軽ければ願いが叶い、重ければ願いは叶わない」。試し石とも呼ぶそうである。「ふるさと研究友の会」では、重く感じれば、まだまだ努力が必要だと教えられた。
 地蔵堂の重軽石には、これがそうだよという説明書きは無い。知っている人しか試すことができない。「国宝・彦根城築城410年祭」は、12月10日まで。各櫓では特別展も開催されている。この機会に是非、この二つの作法のどちらかを試してみるのはどうだろう。
 ふと、閃いた。重軽石は何も彦根城だけに存在するものではない。湖東・湖北にも重軽石のような試し石は存在しているはずである。「重軽石マップを作り、重軽石ツアー」をしてみたい。湖東・湖北で重軽石の所在をご存知の方、是非、情報をお知らせいただければと思う。
 僕には今でも、天守からは美しい琵琶湖が見えるし、石は相変わらず大人になっても重い。それでも、なんとかここで生きている。世界も日本も見えなくてもいいが、目の届く範囲のものは何とか……と、思うのだ。  

 

雲行

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