花咲くアスパラガス

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2016年5月30日更新

 アスパラガスの季節である。
 アスパラガスのドイツ語はSpargel(シュパーゲル)。ドイツの人々はシュパーゲルに対する思い入れが深く、4月中旬から6月24日(聖ヨハネの日)まで各地で「シュパーゲル祭り」が開催される。多くのレストランには独自のアスパラガス料理が登場し、旅する人々の楽しみのひとつにもなっている。
 実は、昭和20〜40年代、彦根市南部の新海町を中心とした地域は、ホワイトアスパラガスの一大産地だった。最盛期の作付面積は25ヘクタール。缶詰工場まであった。現在では全盛期の20分の1程度にまで落ち込んでいるが、アスパラガスの栽培は今も続いている。勿論、グリーンアスパラガスも収穫されている。
 ハウスを訪れる機会があり生まれて初めて僕はアスパラガスの花を見た。ほわほわとした葉と1センチにも満たない花。日本へは江戸時代にオランダ人によって伝えられ、最初は観賞用だった。分類はユリ科クサスギカズラ属。オランダキジカクシ、マツバウドとも呼ばれた。命名はその姿かたちからだろう。
 アスパラガスは春から夏にかけて出てくる新芽を食べる野菜だが、ハウスでは光合成をさせ、養分を根に蓄えさせる立茎(りっけい)という作業が行われていた。僕はその風景を見たのだ。
 ハウス内は酸素濃度が高いのだろう爽快な気分である。どんな実をつけるのだろう。今、アスパラガスに興味津々なのである。

風伯

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