一行一文字改行縦書き

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2016年5月11日更新

 横書きの話だ。いや、縦書きの話である。
 僕は、丁度一週間前まで、「レート白粉」写真のような看板の文字は、戦前の右から書く横書きだと思っていた。更に言うならば、お寺や仏間のかもいに飾られた扁額も、恥ずかしながら、右から書く横書きだと漠然と感じていたのだと思う。
 一週間前、横書きが何時の頃から始まったのか気になり調べていて驚いた。「右から書く横書き」は、実は「縦書き」で「一行一文字改行」なのだという。確かに…と納得した。
 さて、日本の横書きは何時の頃始まったのか。ウィキペディアには、『戦後、西欧の記法に倣う左横書きが革新的、「1行1文字改行の縦書き」は保守的、というイメージは決定的なものとなり、「1行1文字の縦書き」は衰退の一途をたどることとなった。(中略)新聞の見出しの横書きは『読売報知新聞』(現在の『読売新聞』)が1946年(昭和21年)1月1日号から左横書きに切り替わったのを初の例として…』とあった。
 「ほら、彦根にレート白粉と右から横書きしてある看板がある」と書くのは間違いで、「ほら、彦根にレート白粉と、一文字改行縦書きの看板がある」というのが正しい。僕は、本当に感動したのである。ただ、編集部のスタッフは既に知っていたらしく、この素晴らしい発見は、黙殺されることになった。
 しかし、実際に右から書く横書きはあると僕は思っている。船や車に記される船名や店名である。今でこそ、船体や車体の両側に書かれた横書き文字は左から書かれているが、少し前までは、正面から見て左側面には、「右横書き」だったはずだ。これは、近づいて来る物体の前から順に読むことができるように配慮したものだと考えることができる。
 しかし、右からの横書きが存在したかどうか……、もう少し調べてみるつもりだ。「一行一文字」の限定が気になるのである。

 

風伯

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