「どんどんプロジェクト」始動!

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 2015年10月2日更新

「また新しいプロジェクトが始まりますので、ぜひ遊びに来てください」というメッセージとともにリーフレットが送られてきた。以前取材をさせてもらった「シェアハウス絹市」を運営する長浜まちづくり株式会社の竹村光雄さんからだ。「シェアスペースどんどん」と書かれたリーフレットには、湖北の美しい風景の写真とこのプロジェクトの概要が記されていた。
 長浜市内の中心部、大通寺のそばを流れる米川に「どんどん橋」と呼ばれるコンクリートの小さな橋がかかっている。かつては木製の橋で、渡るとドンドンと音がしたことから「どんどん橋」と呼ばれているのだという。この橋のたもとにある推定築80年の長屋を改装してシェアスペースとして活用していこうというのがこの「シェアスペースどんどん」のプロジェクトだ。キーワードは、「農と食」「ものづくり」「ツーリズム」。週末や期間限定のカフェ、展示会などのイベントスペース、シェアオフィス・コワーキングスペースなど、幅広い活用を想定している。
 さらに、このプロジェクトが今までのものと一番違うのは、シェアスペースの改装自体をワークショップにして参加者を募り、将来利用者となる人たちに改装の段階から積極的に関わってもらいながら創りあげていくという点だ。みんなで使うスペースをみんなでつくる。実におもしろそうな取り組みではないか。

 さっそく、9月16日に行われた「手壊しワークショップ」に僕も参加させてもらった。「ワークショップ」と銘打っているが、要は内装の解体作業をみんなでやりましょうというもの。壁や床などの内装材を剥がして外へ運びだし、廃材に刺さった釘は運搬時に危険なので1本1本抜いていく。地道な作業だ。
 取材のつもりで訪れたのだが、せっかくなので釘抜きの作業を手伝うことにした。金槌とバールを使って釘を抜く。黙々と釘を抜いているといつしか時間を忘れ、なかなか楽しい。
 このプロジェクトのディレクターを務める福冨雅之さんは、今まで24年間アパレル関係の仕事に携わってきた。セレクトショップの運営やブランド立ち上げなど、アパレル業界のありとあらゆることを経験してきたという。しかし、ちょうど1年前にマウンテンバイクのつながりで竹村さんと出会ってから意気投合し、竹村さんからの誘いを快諾。一切の仕事を辞めて、2ヶ月前からこのプロジェクト専属で働いている。「大量生産、大量消費で幸せだった時代がそろそろ終わりつつあることを実感しています。人のつながりがあって顔が見える範囲でのちょうどいい暮らし、新しい幸せの形を発信していく場になれば」と話す。このプロジェクトは福冨さん自身にとっても「ちょうどいい暮らし」の実践なのかもしれない。

福冨雅之さん(左)、竹村光雄さん(中央)とシェアスペースの設計を担当した建築士の佐野元昭さん(右)

 この日、解体作業はなんとか終了の目処が立ったようだ。翌週からは改装工事がはじまり、その後も川掃除や壁塗りといったワークショップが企画されている。完成は来年春で、一般オープン前にはエキシビションとして様々な催しが行われる予定だ。
 これからどんどん人が集まってきて、このプロジェクトがいろんな方向に膨らんでいくといいなと思う。僕もワークショップに参加しながら「どんどんプロジェクト」の行方を見守っていきたい。

 

シェアスペースどんどん

滋賀県長浜市元浜町15-10

お問い合わせ
長浜まちづくり株式会社 TEL: 0749-65-3935

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

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