清凉山不動院のこと 後編(上)

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 多賀町 2014年8月18日更新

 僕はいつものように祈祷をしていただいた。佐々木さんは、大抵、般若心経を唱え、「臨・兵・闘・者・皆・陳・烈・在・前」と、刀印(とういん)を結んで九字を切り、不動明王の真言を唱え、手刀をおさめる。その後、全く想像もつかない独得の方法で気を整えてくれるのだが、この日は法衣をまとい祝詞を奏上し、九字を切るときとは別の言葉を唱え、多分、魔を払った。その姿はよほど不思議だったが、これが、神仏が習合していた日本本来のカタチなのかもしれないと思った。小柄は、庫裡から出てきたという先々代まで使っていた法具と共にかたづけてあったものだから、絶大な力があったに違いない。
 僕はいつも佐々木さんと話す時間を多く持ちたいと思っている。囚われない自由な発想と工夫、そして毎回、進化されているだろうその姿が興味深い。佐々木さんにとっては進化だろうが、実は、その手探りの進化は神仏習合の原点へと向かっていると思えてならないのだ。
 6世紀半ば大陸より日本に伝来した仏教は、聖徳太子によって確立されたといわれる。在来の日本の神との共存関係において神仏習合という形態が生まれていく。そして、日本古来の神の観念と密教思想を融合させ、神仏習合思想に大きな影響を残したのが、平安初期に真言密教を開いた空海(弘法大師)なのである。
 8月19日から21日の間、「弘法大師の飛行三鈷」をかたどった御本尊(祈念三鈷)・木製「撫で三鈷」・奥之院に今も灯り続ける「不滅の聖燈」が、不動院で展示される。佐々木さんの進化と高野山結縁行脚の時期の重なりがまた僕には面白い。
 結縁行脚が終わって一段落した頃に僕は不動院を訪ねてみようと思っている。どんなふうに佐々木さんが進化しているのか、祈祷法の変化、そして何より話を聞くのが楽しみなのである。

高野山結縁行脚 ~大師の三鈷と不滅の聖燈~

2014年8月19日(火)10:30〜8月21日(木)22:00
21日10:00より弘法大師礼讃法要

不動院にて、「不滅の聖燈(祈親燈)」「飛行三鈷」「撫で三鈷」を展示。19日から21日の3日間は不滅の聖燈の火を使い参道の灯籠を灯す。お参りは無料。
ご希望の方には、高野山金剛峯寺に奉納する芳名録にご記帳いただくと、金剛峯寺にて永久保存され、護符とお守りをいただくことができる(2,000円)。

お問い合わせ

高野山真言宗清凉山不動院
多賀町敏満寺178 / TEL:0749-48-0335(佐々木琳慧)

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

小太郎

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