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まち・文化

  • 2012年7月25日

    柿渋ワークショップ

     日本の伝統塗料の一つに“柿渋”がある。歴史は古く、布や和紙、竹、木などあらゆるものに用いられていたが、化学染料や化学塗料などにとって変わられ、姿を消して行った。「あー、知っている」と記憶をよみがえらせて頂けるとしたら、番傘だろうか? 和紙や竹製の柄、骨に柿渋を塗ると、紙は防水性や強度が高まり、防腐や防虫、抗菌効... 続きを読む

  • 2012年7月16日

    「石田三成の記憶」と「大坂の陣 供養碑」

     大坂の陣、冬の陣は慶長19年(1614)、夏の陣は慶長20年(1615)……。関ヶ原合戦後の二重講公儀体制が破綻し、豊臣宗家は滅んだ。二重講公儀体制とは、「基本的に豊臣・徳川の共存共栄を図る構想であり、東西分治のもと両勢力の棲み分けによる共存戦略であった」(『関ヶ原合戦と大坂の陣』笠谷和比古著・吉川弘文館)。 ... 続きを読む

  • 2012年7月11日

    天地明察

    海津天神社の「算額」(高島市マキノ町海津1253)  何年ぶりだろー、本屋で3冊のハードカバーを買った。目的の書籍があったわけではない。背表紙を眺め、気が合う本かどうかを確かめながら買った。書籍にも相性がある。『天地明察』(冲方丁ーうぶかたとうー著)はリアルな体験をしながら手に入れた1冊で、ぱらぱらと頁をめく... 続きを読む

  • 2012年7月9日

    平穏な日常

     どちらかというと、僕の毎日は平穏だと思ってはいる。そしてまた、夏がやってくる。嫌なわけじゃない。雨が降らなければ、日曜日には、佐和山の麓にあるお寺「仙琳寺」の竹藪を整備している。ドーッと汗をかいて大量のミネラルウォーターを飲んで、寝てしまおうと考えている。どちらかというと、自分にとっては好ましいことだ。この竹藪... 続きを読む

  • 2012年7月4日
    No Image

    空海が昼飯喰った場所

     米原市上丹生の松尾山は、天武天皇9年(680)に役小角(えんのおづぬ)(=役行者)が修行のために入山したと伝えられる霊地である。松尾寺は、霊仙七カ寺の一つとして隆盛し、現在に残る唯一の寺だ。近江西国33カ所の13番札所でもあり、江戸時代には山中に56坊が建てられていたという。ご本尊は 十一面観世音菩薩と聖観世音菩薩の... 続きを読む

  • 2012年7月2日

    博覧会はバスに乗って

     この季節に山登りをするなら、私は、たどりついた頂上でビールを飲みたいと考えるタイプである。賤ヶ岳や小谷城跡は何度となく登ってきたが、最寄駅からのアクセスが少々不便なので叶わないと思っていた。  ところがである。「戦国大河ふるさと博」の会期にあわせ、各会場を巡回するバスが走っているのだ。「戦国バス」「七本槍バス」... 続きを読む

  • 2012年6月20日

    隧道と村田鶴 佐和山隧道

    佐和山町側から撮影  湖東・湖北に大正時代から昭和初期にかけて竣工したいくつかの隧道(ずいどう・すいどう )がある。「隧道」とは、トンネルの古い呼び方だそうだ。湖東・湖北の隧道のいくつかは、美しい意匠を持ち、設計者は「村田鶴(むらたつる)」という人物だった。前回、横山隧道(長浜市鳥羽上町/米原市菅江)の記事を... 続きを読む

  • 2012年6月18日

    足軽として語る戦国

    津田志保さん  『歴女』……。ウィキペディアでは「歴史好きあるいは歴史通の女性を指す造語」とある。さらに歴史の何が好きかで細分化されるらしい。  「大きくは、史跡・武将・甲冑などの武具装束・軍略などに分けられますが、たいていは複数の分野に興味を持っています。私はまず甲冑。自分が着るのも造るのも、着ている人を... 続きを読む

  • 2012年6月14日

    交通安全PRのため巡回中 パトカー電車

     今も昔も、子どもが憧れる特殊車両といえばパトカーだろう。「パトカーに乗りたい」と夢見たことはあっても、乗るような機会はない。パトカーをイメージした電車で、パトカー乗車の欲望を満たすのはどうだろう。近江鉄道を走る「パトカー電車」が、ささやかな夢を叶えてくれる。  白と黒のツートンに塗り分けた車体にパトライトを模し... 続きを読む

  • 2012年6月6日

    大河ドラマと北近江
    写真で伝える小谷城

     昨年の大河ドラマの主人公・江の出生地と伝わるのが、小谷城である。江の曽祖父・浅井亮政が大永年間(1521~1528)に築城し、父・長政の代の天正元年(1573)に羽柴秀吉ら織田信長軍に攻められ、小谷は落城、長政は自刃した。  開催中の長浜戦国大河ふるさと博では「小谷城址ガイド語り部の会」の79人が、交代制で城跡... 続きを読む

  • 2012年6月4日

    隧道と村田鶴 横山隧道

    横山隧道米原市側 横山隧道長浜市側  トンネルは魅力的である。それを抜けた時に現れる新しい世界にいつもワクワクする。そういえば、子どもの頃も、ジャングルジムでも、土管でも穴を抜ければ向こう側にはいつも別世界が広がっていた。紙を丸めた筒だって同じである。  一ヶ月ほど前、彦根の佐和山の裾野にある仏生山... 続きを読む

  • 2012年5月30日

    ラーメングランプリ顛末記

     ラーメンというものは、なぜこれほどまでに人を魅了するのか。  第2回彦根ラーメングランプリが、5月19日・20日の2日間に渡ってビバシティ彦根の駐車場で開催された。彦根周辺の飲食店12店舗が、「初夏」をテーマに創作ラーメンの味を競うという催しだ。「初夏」というテーマにふさわしくすっきりと晴れた空の下、初日で50... 続きを読む

  • 2012年5月28日

    90年の轍 森先生のこと

     森雅敏さんから案内状が届いた。僕らは森先生と呼んでいる。世の中に多くの森先生がおられるけれど、僕らが森先生と言うときには雅敏さんのことである。  『醒井木彫美術館創立10周年を節目に、森大造と雅敏の造形二世代展をささやかですが企画いたしました。  森大造は大正11年(1922)に醒井から東京へ出て、以来戦... 続きを読む

  • 2012年5月25日

    和ろうそくの植木

     何が好きかって、こういうまちの風景が好きだと改めて思う。彦根市田附町の信行寺の植木? 明らかに和ろうそく型に刈り込まれている。炎の形といい、ボディの錨型の曲線といい、バランスが良い。  この和ろうそくを見つけた時の顛末を僕はビールを飲みながら2時間は話すことができる。愚痴で満たされた2時間よりは、よほど幸福な気... 続きを読む

  • 2012年5月23日

    大河ドラマと北近江
    戦国大河ながはま館にて

    館長の箕浦茂光さん  『51作ある大河ドラマの中で、一番多くとりあげられた時代は戦国時代。その数は20作品になります。日本の歴史を動かした三英傑といえば、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康。三人は大河ドラマに何度も登場しますが、中でも徳川家康は最多となる19回も登場。秀吉は16回、信長は14回。また、三... 続きを読む

  • 2012年5月21日

    波兎、再び
    鍾馗さんにはかなわぬ、波兎

    長浜市湖北町小今 小泉神社本殿  僕は、波間を跳ぶ兎のキュートな文様に魅せられコレクションしている。この文様の別名は「竹生島文様」という。「波兎」「波に兎」「波のり兎」などの呼び方もある。  前回、『波兎に呼ばれる!』というタイトルで、野田神社(長浜市野田町)の竹生島文様の記事を書いたが、5月19日午前10時... 続きを読む

  • 2012年5月16日

    彦根とラーメンのおいしい関係
    第2回彦根ラーメングランプリ開催

     おいしいラーメンとは一体何なのか。最近、ラーメンのことばかり考えている。  僕の生まれた広島県東部では、ラーメンといえば尾道ラーメンである。鶏ガラでとった澄んだ醤油スープに豚の背脂が浮かび、麺は中細のストレートというのが基本だ。「尾道ラーメン」という呼び名は最近になって広まったもので、地元では一般的に中華そばと... 続きを読む