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まち・文化

  • 2013年8月14日

    漂白 宗祇法師

    林中央公園の交差点「宗祇騎馬像」  知らないことばかりである。部屋の中でパソコンに向かっているとインターネットから情報が無制限に飛び込んでくる。街に出て足をとめれば自分自身の新発見と改めて知り直すことになるだろう世界にわくわくするのだ。  数年前から、能登川の林中央公園の交差点に馬に乗った老人の石像が建ったこ... 続きを読む

  • 2013年8月12日

    昔、戦争があった

     父は、毎年夏になると憂鬱になるらしい。どうしようもない戦争の記憶を反芻し溜息がでる。少年通信兵として出征し、フィリピンから生きて帰って来た。若い頃は何とかやり過ごせたが、同期の戦友が数えるほどになり、思うようにならない我が身を抱えながら、仕方のない溜息は毎年深くなっていく。  昔、戦争があったのだ。  NHK大... 続きを読む

  • 2013年8月2日

    ダムカード - 横山ダム

     夏休みである。社会人になってからというもの夏休みという休暇は無かったが、周囲が夏休みなのでなんとなく季節を満喫した気分を味わってきた。友人の記憶が僕のモノになることもある。最近のデジタル化により、映像は美しくリアルである。友人の旅行記をひとしきり見たり聞いたりした後に僕の頭に残った他人の記憶が少し歪んではいるが... 続きを読む

  • 2013年7月28日

    留学生の演じる冨田人形

     昼下がり、長浜市富田町の「冨田(とんだ)人形会館」を訪ねた。玄関にはずらりと靴が並んでいて、田んぼからの風が吹き込む畳敷きの広い部屋では、留学生たちが気持ちよさそうに昼寝をしていた。彼らはこの夏、人形浄瑠璃「冨田人形」を学びにアメリカやイギリスからやってきた大学生たちなのだ。  冨田人形は約180年の歴史を持つ... 続きを読む

  • 2013年7月26日

    波うさぎを求めて

    近江八幡市宮内町 日牟禮八幡宮 日牟禮八幡宮の波うさぎ  若林純さんに会った。『寺社の装飾彫刻』(日貿出版社)の著者であり、自ら彫刻を撮影するカメラマンである。  僕は淡海の「竹生島紋様(波うさぎ)」コレクターだから寺社の彫刻は数多く見てきたと思っていたが、波うさぎ以外のことはあまり記憶に残って... 続きを読む

  • 2013年7月22日

    和caféで楽しむ“わけいこ”

     レトロな空間で気軽に参加できる女性の為の  おけいこ  が2ヶ月に一度、米原市醒井にある「和caféたち季」で開かれている。毎回、食やものづくり、美容、健康などをテーマにした1~2時間ほどのおけいこが4、5種類開催され、参加者は興味のあるものを選んで受講することが出来る。和caféで開くおけ... 続きを読む

  • 2013年7月3日

    七夕石に願いを……

    蛭子神社  七夕の季節である。牽牛と織女の語り継がれるロマンチックな物語だが、米原にも七夕石の名を持つ自然石があり、湖北の七夕伝説としてこんな話が伝わっている。  昔、天野川を隔てて仏教の修行を積んでいた雄略天皇(ゆうりゃくてんのう / 第21代天皇)の第四皇子、星河稚宮皇子(ほしのかわのわかみやおうじ)と仁... 続きを読む

  • 2013年7月1日

    大人も夢中になる体感型ミュージアム
    ヤンマーミュージアム

     JR長浜駅から南東に徒歩約10分、緑がいっぱいの大きな建物がヤンマー株式会社が創業100周年を記念して開館した「ヤンマーミュージアム」だ。ヤンマーグループは「都市・大地・海洋という3つの事業フィールドで自然と共生し、食料生産とエネルギー変換のイノベーションに挑戦する」という企業コンセプトを持つ。ヤンマーミュージ... 続きを読む

  • 2013年6月28日

    湖東平野を今もコウトランデルと呼ぶ人の作品展

     2011年、東近江市にオープンしたcafe & gallery Hakmokrenは、オーナーの有岡保行さんが築200年の商家を改装した和風の清々しく美しい建物。そこを会場に7月、ガラス工芸作家の小池やすしさんが個展を開く。小池さんは小樽のグラススタジオで修業した後、東京で2年、滋賀県で8年間創作活動を... 続きを読む

  • 2013年6月19日

    カロムロード再び

    写真1  『カロムロード』(杉原正樹編著 サンライズ印刷出版部)が世に出てから17年、カロム伝来について不確かだったことがようやく整理できたのでここに記しておく。  今年2月、彦根の花しょうぶ通りにある逓信舎で行った「CAROM petit Exhibition」や、6月6日放送のNHK「あさイチ」の番組内で... 続きを読む

  • 2013年6月14日

    永源寺 晋山式

     山の美しい緑に包まれた永源寺(東近江市永源寺高野町)で6月2日晋山式が行われた。晋山式とは、寺に新たな住職が就任する際の儀式である。寺には山号があり、その山に晋(すす)むという意味があるそうだ。この日は、道前慈明(どうまえじみょう)老大師(71)が、臨済宗永源寺派大本山・永源寺第144世(住職)に就... 続きを読む

  • 2013年6月12日

    「しびれ」を侮るなかれ

    市民公開講座「第3回“心臓病”で命を落とさないために」八日市文化芸術会館  「脳梗塞や脳出血、狭心症や心筋梗塞といった、脳や心臓の病気は発症した時には手遅れという場合が多くあり、また後遺症が残る可能性もあります。だからこそ、発症する前にどう対策をとるかが大切だと思います」と話すのは、先日八日市文化芸術会館で「... 続きを読む

  • 2013年6月10日

    とんてんかんと響く鍛冶屋町へ

     長浜市鍛冶屋町。約840年前から鍛冶職人が暮らし、武具の生産や野鍛冶で栄えた歴史を持つ集落である。明治期には100軒以上が野鍛冶をしていたというが次第にその数は減り、昭和38年頃には姿を消したという。  その鍛冶屋町で今月22日と23日の両日、地元のまちづくり委員会が企画した「とんてんかん in 鍛冶屋」という... 続きを読む

  • 2013年5月29日

    ラブ ソングス

     大堀山という名前の山が彦根にある。別名を鞍掛山(くらかけやま)。また諸説はあるが、万葉集に登場する「鳥籠山(とこのやま)」の候補地のひとつとされる由緒ある山である。天智天皇の子・大友皇子と、弟・大海人皇子が皇位継承をめぐり国を二分した壬申の乱も「鳥籠山」で戦があった。  僕がこの山に登ったのは、近代化遺産である... 続きを読む

  • 2013年5月20日

    ケヤキの老木と朱雀池

     十年以上昔、余呉町の菅山寺は大好きな場所で、年に何度か訪れ、ケヤキの老木に惚れ惚れし、朱雀池に魅せられ軽々と山のなかで遊んでいた。久しぶりに朱雀池が見たいと思った。  案内の表示も新しく山の中は随分整備されて様子は記憶とは少し違っていた。空は青く緑の芽生え始めた山には春がまだ同居し、温かい日差しが嬉しかった。木... 続きを読む

  • 2013年5月17日

    西村雅彦さんが、ひこね市文化プラザに来館

     西村雅彦さんといえば、コミカルな役からシリアスな役までこなす渋みある演技派俳優として知られているが、絵を描いたり、写真を撮ったりするアーティストとしての一面は、よほどのファンでなければご存じないかもしれない。  ひこね市文化プラザでは、5月14日~19日にかけて、「俳優 西村雅彦の絵画・写真展『しあわせなマリー... 続きを読む

  • 2013年5月8日

    目的地は杉本隧道 2

    杉本隧道  木之本町杉本と余呉町上丹生を結ぶ「杉本隧道」へ行ってきた。以前からこの隧道を利用していたが、僕は10年以上この隧道の名前を「杉野隧道」だと思い込んでいた。近代化遺産を意識しながら訪れたのは今回が初めてだった。いつも資料として使っている『滋賀県の近代化遺産ー滋賀県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書... 続きを読む