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彦根市の記事一覧

  • 2021年12月8日

    Fox Hole no.5 まち・文化

    狐の穴  「Fox Hole」、文字通り「狐の穴」である。今まで何度かFox Holeについて書いてきた。ある程度のボリュームがあるものはDADAジャーナルで4回ほど。最初の原稿は2017年、この原稿を5回目とする。  Fox Holeは稲荷の社に空けられた穴のことだ。コンクリートや石組みの台座に空いている... 続きを読む

  • 2021年11月30日

    「石田群霊碑」参道整備 まち・文化
    彦根市清凉寺

     11月23日、第20回近江中世城跡「琵琶湖一周のろし駅伝」が行われた。佐和山は午前10時過ぎにのろしがあがった。前日は雨が降っていたが石田三成のイベントがあるときには必ず晴れるらしい。三成ファンの間では「治部少晴れ」という。僕はこの日の午後、「石田群霊碑」参道整備に参加した(三成の戦実行委員会主催)。  石田... 続きを読む

  • 2021年11月28日
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    大丈夫、心配ないよ まち・文化

     緊急事態宣言が解除になり、11月、コロナ禍で自粛していた昨年のイベントの数々が行われた。元通りとまではいかないが、少し前の世界がもどってきたようである。彦根の商店街でも「えびす講」があり、多くの人で賑わっていた。  僕は商店街へ向かう親子やカップル、お年寄りや若者グループとすれ違った。皆、嬉しそうだった。心底楽しそう... 続きを読む

  • 2021年11月17日

    千代宮常夜灯と柳町 まち・文化

    イントロ 石川千代松先生像  石川千代松博士の胸像写真が必要だったので撮りに行ったときの話だ。彦根の旧港湾、かつて鮎苗協同組合があった場所(彦根市元町)、船町の交差点近くにある。昭和49年(1974)、石川先生小鮎移殖顕彰会が建立したもので、「石川先生顕彰の碑」には次のように記されている。 「石川千代松... 続きを読む

  • 2021年11月10日

    湖東・湖北 ふることふみ 85
    『彦根城総構え400年』(六) まち・文化

    彦根市本町三丁目の信号から見る彦根城天守  今更ではあるが「総構え」の定義は難しい。城を中心とした外郭と解釈されている。単純に考えると防衛や生活・経済が城と総合的に結び付いていて堀や土塁などで囲まれた区域である。  中国などの諸外国の城は城下町を含み高い城壁に囲まれている光景である。これに対し日本の城は城下町... 続きを読む

  • 2021年10月13日

    湖東・湖北 ふることふみ 85
    『彦根城総構え400年』(五) まち・文化

    彦根城下町の食い違い(彦根市本町二丁目)  前回、彦根城下町は彦根道から始まったと考えられることを記した。これは彦根だけの話ではなく都市計画においては当たり前のことである。しかし、時代の需要によって町の形は変わってくる。  古代は京都市内に碁盤の目として今でも残るような条里制が主流であり、この形は都市だけでは... 続きを読む

  • 2021年10月6日
    No Image

    言葉のBefore After まち・文化

     「大改造!!劇的ビフォーアフター」(朝日放送テレビ)という番組があった。テレビをほとんど観ないので今も続いているかどうかはわからないが、住まいの大改造を通して、再び「家族の絆・やすらぎ」を取り戻すことを目的とした番組である。 「Before After(ビフォーアフター)」は、関ヶ原の戦いBefore After、新... 続きを読む

  • 2021年9月8日

    湖東・湖北 ふることふみ 84
    『彦根城総構え400年』(四) まち・文化

    鳥居本宿南端・彦根道への石柱  《道》は不思議である。「すべての道はローマに通ず」との有名な言葉があるように日本が記録に残る歴史を有する前から人類史の中で道は重視されていた。では道が人類の英知なのかと言えば、それは否と答えざるを得ない。動物が動く場所には目に見える形で獣道ができる。また植物が繁殖するルートも道で... 続きを読む

  • 2021年9月1日

    旅館の玄関が食事処に! お店
    清瀧旅館

     彦根の芹川沿い、袋町にある清瀧旅館7代目の中溝雅士さん(56)とはすいぶん長いつきあいである。編集部事務所の引き戸が突然開いて「入りま〜す」、或いは「あがりま〜す」と声がして、2階へ続く階段をのぼってくる。声の調子や足音で中溝さんの調子がわかる。大抵はちょっとした手土産を持参。電話ですみそうな用件のあと、その... 続きを読む

  • 2021年8月15日
    No Image

    夏は妖怪の季節 まち・文化

     夏は妖怪や幽霊の季節である。彼(彼女)らは年中僕らの側で様子をうかがっているにもかかわらず、涼を求めて怪談やらホラー映画、肝試しなど、何処かでお決まりのイベントが行われている。  日本のお盆は、あの世から帰ってくる霊魂をお迎えし、そして送り出す風習だ。ご先祖様や家族、親しい友人をお迎えするだけならいいのだが、帰ってき... 続きを読む

  • 2021年8月11日

    湖東・湖北 ふることふみ 83
    『長曽根郷土史』 まち・文化

    『長曽根郷土史 わがふるさと長曽根の歴史』表紙  歴史調査に欠かせない情報として郷土史がある。  郷土史作成は、行政が市史・町史などの編集時に協力した郷土史家の声掛けや歴史継承の危機感など多くのきっかけがあるが平成から令和へと時代が進む今は郷土史を作成する最後のチャンスであるとも言える。それは太平洋戦争を経験... 続きを読む

  • 2021年7月7日

    湖の小糸漁! まち・文化

    朝日とともに帰港。湖からみるはじめての朝日だった。 小鮎  「お中元」のことを考えていた。「お歳暮」なら年の暮れ、しかし「中元」がわからない。中国の道教由来の文化らしい。中国の暦では1月15日は上元、7月15日は中元、10月15日を下元という。中元は日本でいう「お盆」。仏教の風習と混ざり、お世話になってい... 続きを読む

  • 2021年7月2日

    湖東・湖北 ふることふみ 82
    『彦根城総構え400年』(三) まち・文化

    奥山家墓所(ただし六左衛門の墓石はない)  前稿では六左衛門が誕生する頃までの奥山家について記したので、今稿では六左衛門について書いてゆきたい。  「国宝・彦根城築城400年祭」の頃から井伊谷での井伊家を調べていた私は、井伊直親が暗殺された後に鳳来寺山に逃れることとなった虎松(のちの直政)に同行し幼い虎松を守... 続きを読む

  • 2021年6月10日
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    ハリー・ポッターと妖怪 まち・文化

     僕が『ハリー・ポッター』のファンなのは、魔法好きというだけではない。物語のなかに魔法生物として日本の妖怪が登場するからだ。そして、ハーマイオニーの「伝説には根拠がある」というフレーズは「淡海の妖怪」の神髄だと思うからである。  BBC製作のドキュメンタリー「ハリー・ポッターと魔法の歴史」を観ていたら、人魚のミイラらし... 続きを読む

  • 2021年5月20日

    湖東・湖北 ふることふみ 70
    『彦根城総構え400年』(一) まち・文化

    彦根城研究の先駆け『彦根山由来記』(昭和44年再版分)  元和8年(1622)彦根城築城第二期工事が終了する。これにより彦根城は城下町を含めて現在に近い町割りが完成した。  2007年、実際よりも1年ずれる形で『国宝・彦根城築城400祭』が開催されてから15年が経過する来年(2022)こそが本当の意味で彦根... 続きを読む

  • 2021年5月19日

    大蔵省用地の石碑 まち・文化

     僕は大人になってからほとんどテレビを観ない人間になった。毎週同じ時間にテレビの前に座わり連続ものを観るなど到底叶わない。  だが今年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」は、渋沢栄一が主人公である。観なくてはならないと思った。全て観ようと僕が決心したというのは青天の霹靂のようなものである。  今年に限って観る気にな... 続きを読む

  • 2021年4月26日
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    暮らしの中に生きていた「おまじない」 まち・文化

      新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。もやもやとしたものが気持ちのなかにある。これが不安というものだろう。もやもやの密度が濃くなり我慢していると、圧縮されてギャーっと爆発して吐き出すことになる。  お守りやまじないは不安を和らげる速攻性のアイテムである。僕は未だにお守りを首からさげているし、いくつかの真言も覚え... 続きを読む